年間を通して観光の町となっている八幡町。古い町並みを残し、観光のための整備をしている。夏休みが始まったばかりの連休最終日、7月21日(月・海の日)は、大きな旅行会社主催の「郡上踊り」も開催されるため町は観光客で溢れていた。
小駄良川に架かる清水橋から望む。市民も観光客も水と遊ぶ。

古くからの町並みを残す尾崎町を歩くと、湧水を引き込んだ「水舟」があった。
一番上の段は飲み水に、次の段の水は食べ物を洗う、下の段は食器を洗う、その下では洗濯。調べた訳ではありませんが、そんな水と生活の繋がりが見えてくる。

二段目には、スイカが冷やしてありました。

泊まった旅館の下を流れる長良川の支流である吉田川の流れ。自然の川岸、川底が透けて見える清流。見ているだけで清々しくなる。

この吉田川に架かる新橋は、地元の若者が水面から高さ12メートルある橋の欄干から飛び込むことで知られているようだ。地元若者の一種の通過儀礼的な役割も果たしているのだろう。
この日も夕方から、若者たちが6,7人集まり、次々と飛び込んでいた。「5,4,3,2,1,」と、下の岩場から仲間が声を掛ける。「1(いち)」の掛け声から一呼吸おいて、足から吉田川に飛び込む。ズボッーッと水面から姿を消した跡、フワーッと若者が浮かび上がると、仲間や見ている人々から拍手が湧き上がる。

一人だけ上に白いTシャツのようなものを着ている若者が居る。脚の色も他の若者から比べると白く、いかにも彼だけがひ弱そうだ。他の若者に付いて、下の岩場から橋の欄干に上がって行った。どうなるのかと見守っていると、最後から二番目に無事に飛び込んだ。やんやの喝采だ。

実は、彼だけが彼女らしき女性を連れてきていた。しばらくして他の若者は帰ったが、ひ弱そうな若者と彼女だけが岩場に残った。しばらくすると、彼女だけが橋の欄干へ上っていって、下から若者が声を掛け始めた。「5,4,3,2,1」。橋の上でそれを見ていた数人の人々は、戸惑いの様子だ。
「1」が終わると、彼女は欄干から手を放して飛び降りた。鼻を手でつまんで、足からまっすぐに水中へ。(写真のタイミングが悪く、岩に腰掛けているように見えますが)

彼女は、無事に水面に浮かび上がり、流れに乗るように岩場を通り越して岸に泳ぎ寄る。若者は、彼女を労るように岸辺へ迎えに行った。
二人の間にどんな会話が交わされたのかは分からないが、青春の一シーンが目の前で展開していることに胸が熱くなった。郡上八幡は、いい町だ。
その日の夜、旅館の夕食を終えて、ほろ酔い加減で大手旅行会社主催の「郡上踊り」を見に出かけた。総勢1500人と発表されていたが、街中の広場いっぱいになって踊る「郡上踊り」は壮観だった。8月13日から16日に市民によって繰り広げられる「徹夜踊り」が圧巻とのこと。昭和8年に再建された郡上八幡城が、山の上でライトアップされている。

地元婦人会もこの夜の一大イベントに駆り出されていたようだ。
取材で各地を訪ねるが、その土地を楽しむようなことはほとんどしない。今回は、郡上八幡町の魅力のお陰で思わぬ休養ができた。

