標高703メートルの硫黄岳は、現在も白煙を上げる火山の島。この島の波打ち際に、青緑色の硫黄ミョウバン泉を湛える東温泉がある。
ひょっこり誰かが入浴に来るかも知れないので、昼間に全裸の入浴は少々憚られるが、月夜の晩は、絶景の温泉となるだろう。
さて、肝心の薪能「俊寛」は、どうだったのか。
能役者は、今を時めく梅若玄祥。僧侶・俊寛が平家打倒の密議が露見し、流刑となった史実に基づく鬼界が島(現・硫黄島)での、薪能。
島の断崖絶壁を背景とした能舞台は、二度と島を出ることが叶わなかった俊寛の深い哀しみを演じる梅若玄祥を幻想の世界へと導き、現とは思えぬ一時を過ごさせていただいた。
しかし、ここで薪能の写真を掲載することはできないので、せめて温泉に浸かって幻想の一時を楽しんで下さい。


