2009年07月26日

故石松健男さんの仕事

 昨夜、大分県湯布院の由布院駅アートホールで、昨年3月に亡くなった写真家石松健男さんを偲ぶフォーラムが開催されたので、思い立って豪雨注意報の出ている中を出かけた。

 行きの高速道路は、水中を走行しているのではないかと思うほどの激しい雨。ワイパーを最速にしても目の前のセンターラインしか見えない。水たまりに突っ込んだ時、軽くスリップをしたのか、2度ほど車がお尻を振った。

 湯布院は、激しい雨が降ったり止んだり。
 まずは、(協)日本写真家ユニオン組合員の高見剛さんを訪ねる。彼も、石松さんを偲ぶフォーラムの実行委員会のメンバーだ。高見さんは仕事を早じまいして、ギャラリーMUNEで開催されている石松健男写真展に案内してくれた。

 ここに展示されている写真は、主に、ヨーロッパで撮影した(パリかな)美女たち。ちょっと遠慮がちに遠目から、横顔や振り向いた瞬間などの表情だ。品の良い写真である。いつもにこやかで、声高に何かを主張するようなことのなかった石松さんの人柄がそのまま写真に滲んでいると思った。

 ギャラリーMUNEで、大分の写真家竹内康訓さんと出会った。竹内さんは、大分の写真界を活性化するために様々な仕掛けをしている。「ドキュメンタリーフォトフェスティバル宮崎」にも関心を持ってくれていて、宮崎まで来てくれたことがあったそうだ。(私は、例によって忘れていた)

 MUNEのオーナーなかにしちせさんが淹れてくれたカフェインレスのCOFFEEをいただきながら、竹内さんにデジタル写真の保存方法について教えてもらった。彼のデジタル歴は長いので、さすがに説得力がある。私には、大収穫。

 さて、いよいよ由布院駅アートホールでの「石松健男を偲ぶフォーラム」

HP 石松健男フォーラム−1 .jpg

 中谷健太郎さん(亀の井別荘)が、フォーラムを開催している由布院駅の駅舎が出来る時、その渦中に居た一人から見た顛末を、ユーモアを交えて話した。由布院駅が出来る当時の湯布院のエネルギーが伝わり、興味深く聞いた。国鉄からJRへ変わる頃の話だ。

 宇佐市に住んでいた石松さんも、その頃、「駅舎の会議があって、今日はもめそうだから」と言っては、呼び出された。車の運転が出来ない石松さんは、その度に、妻の幸子さんを誘って湯布院まで出かけてきたのだそうだ。

 石松健男さんの仕事については、神足博美さん(大分合同新聞)がパリへ一緒に取材に行った時のエピソードを添えて話した。

 石松さんの写真は、目線写真で、極端に下からとか上からとかのアングルは使わなかった。それが、石松さんの写真の穏やかさを醸し出しているのだろう。石松さんは、壁の写真にこだわっていたのが、印象的だ。
 ニューヨーク9・11を、丸1年後に、大分合同新聞で特集する際、石松さんに写真の相談をしようとしたら、何と、ちょうどニューヨークに彼が居て、1年後のゼロ地点の写真をタイムリーに送ってもらったことがある等のエピソードを紹介。

 石松さんは、大分のジャーナリズムとも深く関わり、仕事をしていた。
 運転手として、どこへ行くのにも同行した幸子さんの話は、石松さんと幸子さんが二人三脚で仕事をして来た歴史を聞くようで、興味深かった。

 ニューヨークゼロ地点の写真を説明する幸子さん。(写真はクリックすると大きくなります)

HP 石松健男フォーラム−2 .jpg
 写真家石松健男さんを語る3人の話を聞いていて、大分という土地に根ざして仕事をしていた石松さんの姿が浮かんだ。後ろに貼ってある石松さんの関わったポスターにしても、多彩で興味深い。

 最後に神足さんが、世界中を旅した石松さんの姿を紹介したが、大分に根ざしていたからこそできたのだと思った。

 幸子さんが、「ずいぶんと海外の撮影にふらっと出かけたが、私を連れて行くと言ったのは、最後の旅となったイタリアだけだった」と、可愛らしく、ちょっとすねて話したのが印象的。私が、ギャラリーMUNEでの写真を見ると、石松さんは美女好きだったと思うと話したのが引き金になったようだ。偲ぶ会では、ちょっと不謹慎だったかな。

 写真は、ニューヨークゼロ地点の写真。駅ホームの側からアートホール内部を望む。
HP 石松健男フォーラム−3 .jpg

 フォーラムは続いていたが、午後9時まえには帰路に着いた。
 途中で睡魔に襲われ仮眠したので、帰宅したのは午前2時になってしまった。


posted by jin at 13:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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