2012年12月14日

住友林業が拒否、私の認識が甘かった


 東京の民放テレビ局ディレクターから、4週間ほど前に、宮崎の観光地として知られる「青島」の自然を、「森」をテーマとしたドキュメンタリー番組で取材したいので、出演し協力してほしいと電話依頼があった。写真集「生命の惑星 青島」を出していることが、私に依頼した理由だった。しかし、私としては、テレビで話すほどの樹木に対する知識はないのに、出演すれば迷惑を掛けると思ったので、青島の樹木に詳しい研究者を紹介したのだが、出演交渉が上手くいかなかったようだ。

 結局、私が出演を引き受けることになって、ディレクターから3、4回、携帯電話の電池が途中で無くなるほど長い電話があり、番組の内容について打合せをした。14日は、彼が「ロケハンに宮崎に行くので、青島の現地で打合せ」という段取りだった。

 ところが、2日前、ディレクターから、取材先の私の携帯電話に連絡があって「番組スポンサーの住友林業から連絡があって、『土呂久鉱害の被害者を支援していた芥川を出演させるな』ということになりました。ご了解下さい」と、申し訳なさそうに言う。
 私は、少々驚いた。

 それより数日前に、そのディレクターから電話があって「芥川さんの経歴を調べさせてもらいましたが、土呂久鉱害に係わっておられたようですが、住友林業がスポンサーの番組ですが、構いませんか」と、問われた時、「まったく抵抗がないと言えば嘘になるけど、1990年に土呂久の裁判は最高裁で和解しているし、それからは何も敵対関係はないので、直接の敵対関係にあった住友金属鉱山がスポンサーなら話しは別だが、住友林業ということなら、私は構わないけど……。住友銀行を使わないとか、VISAカードを持たないとかの抵抗は今でもしているけどね」と、私は冗談も交えて答えていた。

 私の認識が甘かったという他ない。住友財閥は、土呂久鉱害の被害者を支援した者を、和解から22年経った今日でも恨んでいるのだ。
 ひょっとしたら、社会の仕組みというものは、このような力関係で動いているのかも知れないと思うと、空恐ろしい気分になった。
 おめおめと油断なさるな!! 皆々方。

posted by jin at 21:06| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
住友金属鉱山のグループ会社である日向精錬所は、鉱さいを保育所の近くの山に捨てました。これを抗議した主婦が、日向精錬所などから営業妨害で窓外賠償請求の裁判を提訴されました。住友の公害の歴史は、現在進行中です。
Posted by 日向水土壌汚染研究会 at 2015年05月03日 05:32
コメントをありがとうございます。抗議した主婦を被告に損害賠償請求を提訴されたのは、何時の話でしょうか。現在も住友の公害の歴史が進行中ということは、現在も係争中ということですか。経過は、どうなのでしょうか。
具体的内容は分かりませんが、主婦を企業が提訴するとは、尋常ではないですね。
Posted by jin at 2015年05月04日 14:46
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