2020年06月16日

Webマガジン「羽音に聴く」43号がアップされました。

お知らせです。
Webマガジン「羽音に聴く」43号がアップロードされました。

http://www.littleheaven-bee.jp/

 今号は、静岡県浜松市の山間部で蜜蜂を飼う35歳の新婚夫妻の物語。
 塩見亮太さんは大学を出た後、何の仕事をしても納得できないでアルバイトを続けていたが、蜂蜜から造るミードという酒を自ら造ろうとして養蜂家の仕事に出合った。その時「これで迷わないですむ仕事に出合えた」と思ったそうだ。「お金が優先の社会では、みんなが迷って生きているのでは」「風の谷のナウシカ」に出てくる森の人が養蜂家」と塩見さんは言う。
 パキポディウムという成長がゆっくりのマダガスカル原産の植物を愛で、採蜜の後ではギターを奏でる。倉庫には50年前のイギリス車が置いてある。生活を楽しんでいる様子が伝わってきた。これまでには居なかったタイプの養蜂家なのだ。
 お金のためではなく、与えられた地球上の役割を果たすことが仕事なのだと、塩見さんに教えてもらったような気がした。

 是非、ご一読ください。

FB-1 30 天浜蜂場での採蜜作業 .jpg

FB-2 56 新しい巣礎を追加する .jpg

FB-3 46 みかん畑蜂場で .jpg

FB-4 44 ギター演奏の後、バンド名などで盛り上がる .jpg


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2020年05月22日

ご案内:Webマガジン「羽音に聴く」42号がアップロードされました。

FB-1 38 蜜搾りを担当する菊枝さんと実里さん .jpg


 FB-2 16 年川の下蜂場 桜蜜を漉し器に注ぐ .jpg


FB-3 22 早霧湖蜂場で蜜巣板を取り出す .jpg


FB-4 11 漉し器の縁で蜂蜜まみれになった蜜蜂 .jpg




長い間、ブログではお知らせをさぼっていましたが、ほぼ毎月アップロードしていましたWebマガジン「羽音に聴く」の42号がアップロードされました。

コロナ禍で不要不急の外出を自粛要請されている毎日、時間がありましたら、ご高読いただけたら幸甚です。
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今号は、静岡県伊豆市牧之郷で約200群の蜜蜂を越冬させ、今年初めての採蜜として、山桜の蜂蜜を採る菅野養蜂場を訪ねました。

株式会社菅野養蜂場は、本拠地を北海道常呂郡訓子府に置き、山桜の採蜜が終われば次のアカシア蜜やシナ蜜を採るため、北海道へ帰ります。
4代目になる菅野裕隆さんは昨年11月に結婚したばかり、新妻の実里さんにとって山桜が採蜜デビューでした。

高校を卒業してすぐに養蜂家に弟子入りした3代目の富二さんは、長い間、花を追って全国を移動する養蜂を行っていましたが、近年は、夏と秋は北海道、冬と春は伊豆と移動は一か所だけになりましたが、「蜂を飼っていたお蔭で、全国の色々な人に出会うことができた。蜜蜂の仕事は人と人を密接にしてくれるんです。そういう意味では幸せな人生だったかな」と、およそ50年の養蜂家人生を振り返る。

自然と共に暮らす養蜂家菅野一家の物語をお楽しみください。
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写真集「羽音に聴く 蜜蜂と人間の物語」 発売中

FB用 写真集「羽音に聴く」表紙 .jpg

5年余りほぼ毎月、養蜂家を訪ね、その仕事ぶりと生活、家族の歴史を取材したきたWebマガジン「羽音に聴く」が写真集になりました。
小さな童話のような写真集ですが、蜜蜂の神秘な世界と普段見ることができない養蜂家の仕事ぶりは、私たちの食卓にあがる蜂蜜の背景を知る手掛かりになってくれることと思います。

藤原辰史さん(京都大学准教授・歴史学)から、身に余る推薦文を書いていただいたので、下記に紹介します。

「芥川仁の写真はどれも、言葉になる寸前の空気の溜めと震えが映っている。
 土呂久や水俣もそうだった。
 まるで空気の彫刻家だ。
 蜜蜂の羽音、養蜂家の息遣い、そこを吹き抜ける風の香り。
 じっくり浸って、時間を忘れたい。」


芥川仁写真集「羽音に聴く 蜜蜂と人間の物語」
菊変形判 188mm×150mm 上製 88ページ 定価2400円+税
発行:株式会社 共和国 2020年2月20日
ISBN 978-4-907986-69-8

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784907986698
https://www.ed-republica.com/



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2018年05月22日

石牟礼道子エッセイ「魂の秘境から」をご案内します。

FB 魂の秘境から 表紙 .jpg

2月10日に亡くなった石牟礼道子さんが、朝日新聞に連載していたエッセイ「魂の秘境から」が、朝日新聞出版から単行本として出版されましたので、ご案内します。
カバー写真始め、私の写真を30点ほど使っていただいてます。カラーで表現した写真だったので、本文ではモノクロ印刷になっていて少々残念ですが、石牟礼道子さんの文章は、こんなにも自由にこんなにも深く書けるものかと驚きます。
ぜひ、ご一読ください。
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2016年09月04日

Webマガジン「羽音に聴く」14号が公開されました。

Webマガジン「羽音に聴く」14号が公開されました。
下記のURLで、お楽しみください。(再読み込みをしてください)

http://www.littleheaven-bee.jp

 明治時代後期に養蜂業を始めた初代坂東周一さんは、自然と自由を愛する風流人として、佐藤春夫の短編小説「雁の旅」で描かれた主人公のモデルとなった人物。

3代目坂東忠則さんが蜂を払うと、見事に巣枠から蜂が滑り落ちていく
FB 58 蜂を払う忠則さん .jpg

その気質を受け継いだ3代目の坂東忠則さんと4代目の真志さんを中心として、急がず、騒がず、長閑な雰囲気を漂わせ身内で採蜜をする。

青シナの花に蜜蜂が来ているかどうかを見る坂東さん夫妻
FB 52 青ジナの花に蜂が来て居るかどうか観る 忠則さんと貴美子さん夫妻 .jpg

 物言わぬ蜂の状態を観て、その心を読み解くためには、じっくりと急がず向き合って世話をすることが大切なのだと、坂東一家の仕事ぶりを見て教わった。

ようやく写真を撮れる距離の花に蜜蜂が花蜜を吸いにやってきた。
FB 12 青ジナの蜜を採る蜜蜂 .jpg

遠心分離器で絞った蜂蜜を漉し器に移す坂東悠貴さん。
FB 65 蜂蜜を漉し器に移す悠貴さん .jpg

 仕事を楽しみ、余暇を楽しむ。坂東一家の人生ドラマをお楽しみください。
 ご感想等お寄せください。

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2016年03月30日

Web版マガジン「リトルヘブン」46号が公開されました。

Web版マガジン「リトルヘブン」46号が公開されましたのでお知らせ致します。
www.littleheaven.jp

今号は、大阪府豊能郡能勢町で取材させていただきました。
大阪のキ市部から約40キロの距離にある能勢町は、都会育ちの若い世代が、自然農や有機農法などを実践するために新規就農者として様々な試みをしています。その反面、地元農家の方々は、通勤圏にあるキ市へ勤めに出ているため、農協支所が合併して移転し地元に店が一軒も無くなり、自分たちで農事組合を立ち上げ運営していました。

農業研修生を受け入れている藤田富生さん 畑の畦でゆっくり話を伺った
ブログ 26 原田富生さん 2 .jpg

新規就農した今堀淳二さん。ゴボウを植えるために高い畝をつくっていた
ブログ 35 今堀淳二さん 6 .jpg

県道沿いの良く手入れされたタマネギ畑 
ブログ 12 ネギ畑 .jpg

地域の核となっていた140年の歴史を誇る田尻小学校が、統合のために2015年度末で閉校になり、その閉校式に立ち会わせてもらいました。そこで、「子どもたちは多くの友だちの中で教育させてやりたいが、地元で育ててきた小学校が無くなってしまうのは寂しい」と、高齢の田尻小学校の卒業生に複雑な心境を伺いました。
キ市化が進む中で、元々は農村だった地域が抱える複雑な事情を、今回の取材では垣間見た思いがします。

最期の校歌斉唱の時、卒業生の小林繁さんは顔を歪め涙を堪えていた
ブログ 74 田尻小学校閉校式 小林繁さん 2 校歌を歌う.jpg

皆さまのご感想、ご批判などお寄せください。
よろしくお願いします。

今号で、全国47都道府県のうち46都府県を廻ったことになります。
いよいよ5月には、47号(1巡目最終号)となります。お楽しみに。
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2016年03月03日

羽音に聴く 10号が公開されました。

春の兆しを感じる宮崎です。
今回は、菜の花の房総半島を訪ねました。でも、菜の花は、ほとんどなく、一面の菜の花作戦は失敗。

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今号は、青森県八戸市に拠点を置く養蜂家・川代俊美さんが、蜜蜂を越冬させている千葉県館山市の養蜂場を訪ねました。川代さんは父親の養蜂を手伝い始めてから、すでに65年余り経つ83歳。「ほんとは蜂好きでねかったの。刺されて痛えもんだから」と、進んで養蜂家になった訳ではなかったが、蜜を採るための花を求めて各地を訪ねると、「そこの集落の人と一体になれるんです。それ私、好きだ」と、友だちが沢山。「渡る世間は福ばかりだね。金は持たないけど、財産は持った。友だちは財産だもの、ほんとに」。少年のように純粋な養蜂家は、渓流釣りと鉄砲撃ちが趣味。

林に囲まれた養蜂場で、この春初めての内検をし餌を与える
FB 71 今春初めての内検と給餌 .jpg

養蜂場近くの陽だまりで、コンビニで買ってきた昼食を食べる
FB 2 近くの陽だまりで昼食 .jpg

仕事を始める前、最初に準備するのが燻煙器だ
FB 33 燻煙器を準備する .jpg

菜の花の2番花に蜜蜂が寄る
FB 9 菜の花に蜜蜂 .jpg

ご感想など、お寄せください。
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2016年01月29日

Web版「リトルヘブン」45号が公開されました。

暖冬から一変した厳寒で大雪の1月下旬。
1月7日から宮城県の奥羽山地へ行きましたが、雪は無し。良かったような残念なような。

Web版「リトルヘブン」45号が公開されましたので、お知らせ致します。
http://www.littleheaven.jp

地区の若者(?)たちが、白いパンツにサラシを巻いて、八幡神社へ裸参り
「焼き八幡」の始まりだ。
FB 38 手桶を持って八幡神社へ裸参り .jpg

 今号は、宮城県加美郡加美町柳沢地区で600年ほど前から受け継がれてきた伝統行事「焼け八幡」を取材しました。1月始め雪の中の伝統行事を期待して訪ねたのですが、この時はまだ、今年に限って雪の無い奥羽山地。地区の青年(?)で組織する「若者講」の男たちが、白パンツにサラシを巻いた裸姿で神様となり、午前4時から地区の家々を巡ります。
 初嫁には顔に墨を塗る風習があり、裸姿の神様たちがつまご草鞋を履いたまま座敷に上がり、舅姑嫁それに婿の顔に墨を塗りつけると、お互いの顔を見合って大笑い。これで初嫁は、地区の一員となるわけです。
FB 45(トリミング) 顔に墨を付けられた初嫁 .jpg

 夜が白々と明ける頃、ワラを持ち寄って作った「御小屋」を焼き、火難除け、五穀豊穣、家内安全を祈願して「焼け八幡」は終わります。
FB 51 御子屋が燃えさかる .jpg

 一夜明ければ、日常が始まる。
区長の千葉文一さんは、何があっても牛の世話を欠かすことはできない。
FB 69 千葉文一さん 牛の世話をする .jpg

 「リトルヘブン」は45号となりました。このあと、3月に大阪府、5月に岡山県を訪ねると、47都道府県の全てを巡ることになります。引き続き、ご愛読をよろしくお願いします。

 ご感想などお寄せいただけると幸甚です。

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2015年12月07日

「リトルヘブン」44号と「羽音に聴く」8号が公開されています。


 11月は、目の前の仕事に追われてしまって、ブログの更新が疎かになってしまった。FBでお知らせして、それで済んだような気分だったが、ブログを読んでいただいている皆さまに申し訳なく思います。
 さて、このところ、私の写真表現について少し悩みらしき気分があり、気持ちが晴れません。
 ドキュメンタリー写真のありようについて、迷いがあります。特に、「リトルヘブン」では、自然に抱かれて普通に暮らすことの幸せを伝えていきたいと写真を撮っていますが、普通に暮らすことの魅力を伝えるためには、写真も奇をてらうことなく淡々と撮影することを心掛けてきました。
 しかし、最近になって、淡々と現実を撮るのでは、表現として魅力に乏しいのではないかと思い始めてしまったのです。いやはや、68歳になって、今更ではあるのですが、芽生えた迷いは迷いなのです。
 ま、今日のところは、ぐだぐだと書かずにおきます。

 「羽音に聴く」8号の公開をお知らせいたします。
 http://www.littleheaven.jp/

蜜蜂を飼うには、避けて通れない巣礎の製造所を訪ねました。企業秘密だと言うところを、無理にお願いして撮影させてもらいました。別の角度から蜜蜂の神秘に迫ります。

松岡恭司さんが、巣礎を引いています。
FB 21 松岡恭司さん 巣礎を引く .jpg

FB 45 ロウ板を板から外す .jpg

FB 36 蜜ロウを次々と準備する .jpg

FB 29 完成した巣礎 .jpg


 「リトルヘブン」44号も公開されています。
 http://www.littleheaven.jp/

 温州みかんの産地、徳島県勝浦郡勝浦町坂本地区で取材をさせてもらいました。

FB 29 坂本中谷から望む 朝のみかん山 .jpg

FB 12 森本友章さん ユズを運び上げる .jpg

FB 40 新居雄彦さん 1 .jpg

FB 2 20番札所 鶴林寺本堂の鶴 .jpg

ご感想などお寄せいただけると幸甚です。
よろしくお願い致します。


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2015年09月08日

Web新聞「羽音に聴く」7号が公開されています。

「羽音に聴く」7号がアップロードされましたので、お知らせ致します。

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 何故に蜂なの、衝撃だったんだよ
 蜜蜂に惚れてしまい突然養蜂家に

Web 68 作業場で .jpg

 今号は、北海道で定飼養蜂をしている女性養蜂家を訪ねました。養蜂家として蜜蜂を新規に飼い始める女性はほとんどいない。「何故に蜂なの?」と友人に問われ、「蜜蜂に惚れてしまったんで」としか答えようのないほど蜂への愛情が溢れる。苦労に苦労を重ねて、ようやく独立したのが2年前。
 深い雪の中で越冬させるため、強い蜜蜂を作り、雪解けを待って巣箱の蓋を開けた時、じっと彼女を見つめる蜜蜂たちの姿に「可愛い」と感激する。

オオハンゴンソウの花蜜を吸う
Web 50 オオハンゴンソウの花蜜を吸う蜜蜂 .jpg

無駄巣を取り、溜まった蜜をもう一度蜜蜂に与える
Web 28 内検 .jpg

無駄巣を溶かして、蜜ロウを作る作業中の川端優子さん
Web 3 無駄巣を煮て、ろ過する .jpg

一斗缶から蜜ロウを取り出す
Web 63 蜜ロウを缶から取り出す .jpg

 全国でも珍しい女性養蜂家の物語をお楽しみください。
 ご感想など、お願い致します。

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Web版「リトルヘブン」42号を公開!

 うっかりしていました。
 Web版「リトルヘブン」42号が、7月下旬から公開されています。
 ぜひ、ご高覧ください。

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FB 8 迎え火 石井悦也さんと家族 .jpg

 今号は、千葉県鴨川市畑(はた)地区の集落を訪ね、新暦のお盆で迎え火を焚きながら「ござーれ ござーれ」と唱えて、先祖を迎える人びととの出会いから物語は始まります。90歳の伉次(こうじ)さんから「旦那はどこから来た。歳は私と近いんでしょ」と訊かれ、戸惑いましたが、「知らねえ男がウロウロしてりゃ不審に思うよ。それが普通だでよ」と、正直に言われてみれば、よくぞ皆さんに受け入れていただけたものだと感謝するばかりでした。

 畑地区は、花卉栽培農家が多く、テッポウユリを栽培している鈴木通夫さん親子は、夕方遅くまで、鹿児島県沖永良部島から取り寄せた球根の開花時期を調整するための作業をしていました。テッポウユリは時代に合わなくなっていると言いながらも、作業小屋に流れるゆったりとした時間が豊かさを感じさせてくれます。

 球根を冷蔵するための箱詰めをしている鈴木通夫さんの手
Web 91 通夫さんの手 .jpg

 作業を終えて、安堵の表情を見せる通夫さん
Web 95 鈴木通夫さん .jpg

 ご批評、ご感想など、お寄せください。


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2015年07月08日

「羽音に聴く」6号が公開されました。


 長雨の影響で、2週間遅れになってしまいましたが、「羽音に聴く」6号が公開されました。

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 今号は、秋田県仙北市西木(角館町の近く)で、日本一大きな実を付けることで知られる西明寺栗の蜂蜜を採る養蜂家・元村宏さんをお訪ねしました。
 元村さんは、長い間指物大工として仕事をし、栗の栽培も若い頃からやってこられたが、養蜂を始めたのはまだ6年前。半世紀を超えて毎日付けてきた日記が、いまでは養蜂日誌となって日々の作業を記録することに。日誌の終わりには論語を学び、故事成語を一語。妻の雅子さんは趣味で日本画を描き、座敷には大きな額入りの見事な日本画が。そんな文化的香りのするご夫婦の暮らしの一端と梅雨の間の蜜蜂の生態をお楽しみください。

 栗の花蜜を吸いに来た蜜蜂。口吻を突き出して、今、花蜜を吸おうとしている。
Web 54 栗の花に寄る蜜蜂 4 口吻を出して蜜を吸おうとしている .jpg

 内検(巣箱の内部検査)をしている元村さんが、オス蜂の巣房を切り取る。
Web 32 オス蜂の巣房を切り取る 2 .jpg

 普段していなエプロンを着けて作業をしていた元村さん、エプロンの隙間から面布に蜜蜂が入り込み、顔を何か所も刺されてしまった。自家製のプロポリスを水で薄めて顔に塗りつける。
Web 39 蜂に刺された顔にプロポリスを薄めて塗る .jpg

 長雨が続いていたが、天気予報で明日は晴れと告げている。夕焼けを待ったが、そのままぼんやりと日暮れ。しかし、東の空に十三夜月が、闇の中で白い栗の花がほのかに浮かび上がり、幻想的だ。
Web 42 夕暮れの小山田池田の栗畑 1 .jpg

 ご批評、ご感想をお寄せいただけると幸甚です。
 よろしくお願い致します。

 次号「羽音に聴く」は、8月の末に公開いたします。
 お楽しみに。

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2015年05月27日

リトルヘブン41号が公開されました。

リトルヘブン 41号が公開されましたので、お知らせ致します。
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 今号は、北海道旭川市東鷹栖北地区の14町歩、12町歩の水田で米作りする大規模水稲農家の話を主に聞かせていただきました。
 育苗から田植えまでの2ヶ月間は、朝4時から田んぼに出て日暮れまで働くことで、ようやく仕事が間に合う規模。機械は大型化し1000万円を越えるトラクターが必要となり、土手のような広い畦の草刈りは間に合わないので除草剤を使わざるを得ない。取材をさせていただきながら、私は、矛盾を抱え込んでしまったが、水稲農家として食べて行くにはこれだけの規模がなければやっていけないそうだ。
 TPP交渉が進む中で、農業の大規模化について考える機会になればと思います。

相馬国男さん夫妻が、田植えの前の水田に稲以外の草を生やさないための除草剤を撒くために、夕陽に照らされて移動している。
Web 67・相馬国男さん夫妻 .jpg


「うちは専業じゃないから」と、言う沓村弘さんが、ちょっと旧型のトラクターで荒代掻きをしている。「顔を写してんじゃないかと思うけど、恥ずかしして顔を上げられん」
Web 51・沓村弘 .jpg


沓村さんが荒代掻きをしていた水田の横の白樺の林が夕陽に輝く
Web 57・夕暮れの白樺の林と田園風景 .jpg


12町歩の水田で稲を作る鈴木栄一さんが、育苗しているビニールハウスを案内してくれた。
Web ㉔鈴木栄一 ビニールハウスの前で .jpg

 今号は、いつものリトルヘブンと少しニュアンスが異なります。
 皆さまのご感想をお待ちしています。

 次号は、千葉県で取材し、7月下旬にアップロード致します。お楽しみに。



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2015年04月30日

羽音に聴く 5号が公開されました。

「羽音に聴く」5号が公開されましたので、お知らせ致します。

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 今号は、熊本市で82年の歴史を持つ3代目養蜂家を訪ねました。取材時期がレンゲ蜜には若干早かったのですが、混じりっけなしのレンゲ蜜を採集するための前段として、色々な花の蜜が混じっている百花蜜を採ってしまう整理蜜作業を取材しました。この時期は、まだ、ハウス園芸の交配のために貸し出す蜂の需要も活発ですし、女王蜂の翅を切って分封を防ぐシーンなど、レンゲ蜜がピークを迎える直前の養蜂家の様々な仕事をお伝え致します。

レンゲ蜜を採集する前に、それまで蜂が溜めている百花蜜を採ってしまう整理蜜作業を行っている
Web・整理蜜採り 3 蒸気蜜刀で蜜蓋を切る .jpg

レンゲ畑に巣箱を置く前から、匂いでレンゲの開花を察知して蜜を採りに来る
Web・レンゲと蜜蜂 6 .jpg

ハウス園芸の交配用に貸し出していた蜂が、返ってきたので蜜蜂の状態を点検する
Web・ハウスへ貸し出していた蜜蜂の管理 5 .jpg

女王蜂の翅を切って、分封を防ぐ技術も養蜂技術の一つだ
Web・女王蜂の翅を切る 2 .jpg

ご高読ください。
ご感想、ご批評などをお寄せいただけると幸甚です。


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2015年03月26日

リトルヘブン40号が公開されました。


「リトルヘブン」40号が、公開されましたのでお知らせ致します。

http://www.littleheaven.jp

 「リトルヘブン」40号は、静岡県賀茂郡松崎町石部(しずおかけん かもぐん まつざきちょう いしぶ)で取材させていただきました。

棚田の畦の草刈りをする橋靖さん。「食糧危機が来ても一粒の米でも食べられるように、棚田を作り続けるように」と、父の遺言
Web 橋靖さん 畦の草刈り 3 .jpg

 石部では、1970年過ぎに伊豆半島の海岸道路が開通したことによって、それまでの半農半漁の暮らしが、観光産業へ変化していき、200年前から耕作を続けていた棚田が見放れていきました。

棚田からは、肩を寄せ合うような石部の集落と駿河湾が見える
Web 石部集落と駿河湾 .jpg

 しかし、平成の時代になって観光客が減少することで、改めて棚田を復元し地域の活性化に繋げたいと地元の活動が始まります。

誰が植えたのか、春を告げる花、ミツマタが4、5本。
Web ミツマタの花 .jpg

96歳で独り暮らし。干していたヒジキのゴミを取る鴻野敏子さんの手。
Web 鴻野敏子さんの手 -Edit.jpg

 棚田復元の物語を中心に、取材がちょうどヒジキ収穫に重なったため、半農半漁を彷彿とさせてくれる現在の自然豊かな暮らしぶりを垣間見せていただくこともできました。日本経済の動きに翻弄された小さな集落の暮らしと、先人が築いた棚田に対する愛着など、上記のURLを開いて、石部棚田の物語をぜひご高読ください。

 次号の「リトルヘブン」41号は、北海道で取材し、2015年5月末に公開の予定です。
よろしくお願い致します。

 ご感想やご批判をお寄せください。
 私には、何が伝わっていて、何が伝わっていないのか分かりません。皆さまからのご感想、ご批判が何よりの支えです。よろしくお願い致します。


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2015年02月26日

「羽音に聴く」4号が公開されました

宮崎では、少しだけ春らしい日射しを感じられるようになりました。
さて、皆さまにご愛読(?)いただいてます「羽音に聴く」4号が公開されましたので、お知らせ致します。

http://www.littleheaven-bee.jp

 早春の花、梅が咲き始めた2月上旬、見渡す限り梅畑が広がる和歌山県みやべ町の養蜂家を訪ねました。越冬を終えた蜜蜂は、梅の花の蜜と花粉で元気を回復していきます。大粒で肉厚な梅干しで知られた南高梅は、原木から挿し木で増やした梅なので、自然交配では結実できず、蜜蜂の交配が必要なのです。
 つまり、蜜蜂と南高梅は、共存共栄の関係にあるわけなんです。

梅の花にすがって蜜を吸う蜜蜂の背景に梅畑に置かれた巣箱が見える
Web 37 養蜂箱近くの梅の蜜を吸う蜜蜂 .jpg

山間部の梅畑の中で内検する中村悌さん
Web 27 中村悌 養蜂箱の内見 2 .jpg

梅の花にすがって吸蜜する蜜蜂
Web 36 梅の蜜を吸う蜜蜂 1 .jpg

餌として与えた砂糖水がこぼれた水滴を口吻を出して吸う蜜蜂
Web 46 巣板の上にこぼれた餌を吸う蜜蜂 .jpg

梅の交配用に貸し出す蜜蜂の巣箱を運ぶ中村悌さん
Web 42 中村悌 貸し出す巣箱を運ぶ 1 .jpg

梅の花が満開になって蜜が十分に採れるまで蜜蜂に餌として与える砂糖水を作る
Web 6 中村悌 餌の砂糖を焚く 4 .jpg

 みなべ町で訪ねた中村養蜂園と坂東養蜂場では、梅の交配用に蜜蜂を貸し出した後で、のんびりされていましたが、その分、蜜蜂の命の営みについて、ゆっくりとお話を伺うことができました。
 私たち人間社会は、儚い生命の蜜蜂から教わることは多いと感じました。
 ご高読いただけると幸甚です。 

「リトルヘブン」の次号(40号・静岡県で取材予定)は、3月末に、
「羽音に聴く」の次号(5号)は、4月末に公開の予定です。

ご感想をお寄せください。
よろしくお願い致します。


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2015年02月02日

栃木県で取材した「リトルヘブン」39号が公開されました。

「リトルヘブン」39号が、公開されましたのでお知らせ致します。

■「リトルヘブン」39号は、栃木県那須郡那珂川町小砂地区(なすぐん なかがわまち こいさご)で、自家用の炭を焼くご夫婦や伝統ある地元の焼き物を穴窯で継承する陶芸家の他、タバコ栽培をしていた当時の農家の苦労話やお歯黒だった曾祖母の思い出話などを取材させていただきました。
 穏やかな自然の中で、毎日の暮らしを豊かに楽しむための工夫と努力の物語をお楽しみください。もっとも、その陰には苦労話もありますが……。

下記のURLを開いて、ご高読下さい。
http://www.littleheaven.jp

自分の山の木を伐り出して焼いた炭の炬燵で寛ぐ、長山恒秀さんと里子さん夫妻
FB 53 長山家の炭火の炬燵 2 .jpg

小砂地区国山集落の穏やかな風景に大寒の頃とは思えない暖かさを感じる
FB 21 国山(くにやま)の風景 .jpg

庭先に福寿草がほころび始めていた
FB 15 福寿草 1 .jpg

歴史のある地元の焼き物を穴窯で焼き続ける陶芸家の岡稔さん
FB 43 岡稔 5 .jpg

朝日が射し始めると、霜が溶けて畦の草が輝く
FB 25 来目木の土手の霜が溶ける .jpg

次号の「リトルヘブン」は、静岡県で取材し、2015年3月末に公開の予定です。
よろしくお願い致します。

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2014年12月28日

羽音に聴く 3号が公開されました。


 14年8月から始まった「羽音に聴く」の3号が公開されました。

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 春にハウス園芸の交配をするための蜜蜂を、元気づけ数を増やすことを目的に転地養蜂するため、奄美大島へフェリーで移動する鹿児島の養蜂家に同行しました。
 移動の日は、鹿児島でも雪が降る荒れ模様。次々と、幾つもの困難が養蜂家を襲いますが、機転と人脈で何とか無事に巣箱を設置することができました。

移動の準備は、巣箱の中の蜂の状態を把握することから始まる
Web 6 蜂の状況を把握する 巣箱の入れ替え .jpg

移動の朝、うっすらと雪の降り積もった巣箱をトラックに運ぶ
Web 32 巣箱をトラックに運ぶ .jpg

奄美大島で巣箱を設置するためにトラックから背負って運ぶ
Web 43 奄美 巣箱を運ぶ .jpg

巣箱を設置した翌朝、蜂は新しい土地に馴染みどこからか花粉を運んできた
Web 54 奄美 花粉を運んできた蜂 .jpg

お楽しみください。
「羽音に聴く」次号(4号)は、15年2月に公開の予定です。
今後ともよろしくお願いします。
posted by jin at 17:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月29日

リトルヘブン 38号が公開されました。


大分県九重町栗原作草(ここのえまち くりばる さくそう)の集落は、夏秋(かしゅう)トマトと高原ホウレン草を栽培する農家7軒。柔道でオリンピック出場を目指し、有名高校へ進学した穴井智大さんは、練習中のケガで願いは叶わなくなった。失意の下、実家に帰った智大さんは、悶々とした日々を潜り抜け、2年前に新規就農を申請した。迷い悩みながらも、地域の年寄りに教えを請いながら新たな夢を目指し始めた。

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夏秋トマトの収穫を終えて、ホッとひと息を付く
Web1 81 智大さん トマトの収穫を終えて .jpg

晩秋の朝、集落各戸から一人ずつ出て、作草集落へ入る道路の草刈りがあった
Web2 24 道路脇の草刈り 穴井勲さん 3 .jpg

日暮れが近くなって、智大さんの祖父正秋さんが、運動場の牛を牛舎へ戻す
Web3 41 穴井正秋さんが牛を曳く 2 .jpg

智大さんが世話する愛犬のチビ
Web4 47 穴井さん宅の犬 チビ .jpg

智大さんが通っていた淮園小学校栗原分校の校舎。今年3月末で閉校が決まった
Web5 29 淮園小学校栗原分校 2 .jpg

お楽しみください。

次号(39号)は、栃木県で取材し、15年1月末に公開します。
よろしくお願い致します。


posted by jin at 14:36| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月25日

Web版「リトルヘブン」37号が公開されました。


今朝の宮崎は、台風16号の影響で昨夜まで降っていた雨があがり、快晴の秋空です。
Web版「リトルヘブン」の37号が公開されました。

Web1 小田文夫さん宅の稲刈り 2 .jpg
棚田で畦の周りの稲を刈る小田文夫さん。下の棚田でコンバインを運転するのは孫の高弘さん

Web版になってからは記事も私が書いていますが、これに七転八倒。文章を書くことを仕事にしている人の気が知れないと思うほどです。普段はストレスと縁の無い私ですが、リトルヘブンの原稿を書いている時は、口の中は口内炎だらけの状態。

下記のURLを開いて、ご高読下さい。
http://www.littleheaven.jp
以前の号を読んでいただいた皆さんは、再読み込みをしてください。

Web2 小田文夫さん 2 .jpg
小田文夫さん

Web3 バッタ 1 ショウリョウバッタ .jpg
農道の茂みに身を隠すようにショウリョウバッタ

Web4 柘植剛さんの蓮畑 .jpg
休耕していた棚田をひとりで拓いた柘植剛さんのハス畑

ご批評、ご感想などをお寄せいただけると幸甚です。
よろしくお願い致します。

次号は、大分県で取材し、11月末に公開の予定です。


posted by jin at 12:52| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする