前々から一度は行ってみたいと念願だったパリフォトへ行きました。

さて、そこで何を得てきたのかは、本人には分かりませんが、ただただ写真三昧の一週間でした。
シャンゼリゼのグランパレには、世界の都市から130余りのギャラリーが写真を出品し、22社の出版社が写真集の展示をしていた。日本人の写真家で、すぐに名前が出てくるのは森山大道、荒木経惟、杉本博司、東松照明など。荒木さんの写真は、出品されている中で恐らく最も過激な写真群だった。肩を組んで二人で仲良くブース巡りをしていたカップルの女性は、荒木さんの写真の前で、横を向いて写真を見ようとしていなかった。写真は、森山大道さんの写真を展示しているギャラリー。

石内都さんの作品は、二つのギャラリーで作品が展示されていた。杉本博司さんの作品は1点だけ見た。森山さん、荒木さんの作品は、幾つものギャラリーで扱っていて存在感があった。東松さんの作品も幾つかのギャラリーで扱っていて、PRISKA PASQUERというギャラリーで見た東松さんの作品は、これまで私が知っていたものとは異質で興味深い写真で驚いた。写真は、石内都さんの「1947」を展示しているギャラリー。

石内さんは、会場に顔を出していた。

写真の歴史を辿れば必ず出会う名の知れた写真家たちのプリントも多く展示されていて、あまりにも一気に写真の坩堝にはまって、目が回るような印象だ。2日間掛けて、できるだけゆっくり見たつもりだったが、今、思い出そうとしても具体的な写真が出てこない。

初日には、テレビの取材も行われていた。

グランパレの会場は、夕方になっても、人波が途絶えることなく続いた。日本とフランスの写真文化の違いを感じざるを得ない。

最終日の夕方には、赤印の付いた作品も多く、この場で作品の売買が相当数されていることを感じられた。
パリ写真月間に合わせて、写真を展示しているミュージアムやギャラリーも多く、ギャラリーが集まっているサンジェルマン・デ・プレ地区では、一気に50軒ほどのギャラリーを見て歩いた。
街角のカフェでは、男たちが風除けのビニールの中でトランプに興じていた。
サンジェルマンの街を歩いていると、見知らぬ男が英語で声を掛けてきて、写真を撮らせてくれと言う。これは日本で言うキャッチセールスか詐欺の類だと警戒しながら、もう少し話しを聞くと、彼は、スコットランドの芸術大学の写真コースの教師で、パリフォトを見に来ていると言うのだ。そういうことなら、写真を撮ってもいいと言うと、2枚シャッターを切った。実は、私もパリフォトを見に日本から来ていると言うと、「ビール飲みに行こう」と誘う。「え、この寒いのに、ましてや昼間から、ビールかよ」と思って、「ビールはいやだ」というと、「じゃカフェは、どうだ」と言う。それで、カフェへ行くことになって、歩き始めた時に、彼の大学の写真コースの主任という男に出会った。もちろん、二人は一緒に来ていたのだが、それぞれで写真を撮っていたらしい。そこで、日本の写真家についてとスコットランドの写真家について、少し話した。彼らが、真っ先に名前を挙げたのは、DAIDO,ARAKI,SUGIMOTO だった。彼らは、スコットランドの写真家で、世界的に有名なマーティン・パラを知らないなんてだめだと言う。しかし、 私は知らなかった。彼らは、それでがっかりしたみたいで、カフェ行きも何となく取りやめ。
別れ際に、なぜ私の写真を撮りたいと言ったのかと聞くと、「あんたの格好がクールだったからだよ」と言って笑った。二人の写真を、記念に一枚撮らせてもらって分かれた。左が、声を掛けてきた写真コースの先生。
ギャラリー回りをする時に、通訳をしてくれたフランスで俳優をしている島岡現さん。
羽田から宮崎へ帰るJALの窓から、富士山がくっきりと見えた。
楽しかった。
終わり。