わずか2泊3日だったが、私が所属している日本写真家ユニオンの事業拡張のために、上海を訪ねた。
早朝と仕事を終えてから日暮れまで、上海の街を歩いた。新旧のコントラストがはっきりした街で、人々のエネルギーに溢れていた。生活は以前のまま、近代化される地域は急速に都市化されている。勤め人の平均的月給は、日本円に換算すると4、5万円らしいが、上海の街を蛇行して流れる黃浦江の岸辺に新しく建築されたマンションは1平方メートル200万円もするという。このアンバランスをいつまで保つことができるのか。中国は、すでにバブル経済に突入しているように思えた。

空港から市街地へ向かう高速道路。タクシーの運転手が、助手席にいる通訳をしてくれた何(か)さんへ何やら大声で話しかけている。後で、何を話していたのかを聞くと、昔の暮らしが良かったというようなことだった。すでに、人々は、経済格差の矛盾を肌で感じているのだ。

街中をタクシーの窓から。
手前の古い住宅は壊され、後方に新しい公営住宅らしき建物が建築中だ。

早朝、中心市街地を歩くと、新旧の建物が混在する。

黃浦江の対岸は、新しく開発された商業地区。

黃浦江の堤防は、公園として整備され上海市民の憩いの場となっている。
独り剣舞の稽古に勤しむ男性。

太極拳や中国的健康舞踊などのグループがあちこちで練習している。
後方の金融機関の建物には中国国旗・五星紅旗が翻っていた。

黃浦江の岸辺で、散歩の休憩をする二人。

たこ揚げが盛んに行われていた。

散歩の途中の男性が、たこを揚げている男に話しかける。
たこを揚げている男は、自慢そうだ。

金融機関が並ぶ高級ビルの一角に、外国資本のファッションメーカーが入っている。

金融機関のビルが、黃浦江の岸辺の一等地に建ち並ぶ。

一つ角を曲がると、古い上海の匂いがする。

夜勤明けの守衛さんが、道路でうとうとしていた。
そっと近づくと、気付いて振り向いた。

孫を乳母車に乗せて散歩している男性に出会った。
生活圏がすぐ近くにあるのだ。

さらに裏道を進むと、路地の入口が現れる。
表通りから一歩入ると、生活の場で、歯磨きしている男性と目が合った。

中国では、朝食は買って食べるようだ。
近所の主婦らしき女性が、朝食のお粥やご飯やパンを売っている店に集まっている。

生活が建物の外側にまで染みだしたような古いアパート。
居心地が良さそうだが、いずれ取り壊されるのだろう。

近くの路地では、洗濯屋がアイロン掛けに勤しんでいた。
彼女の後で、夫らしい男性が横になっている。

昔から、このように家壁いっぱいに品物を吊して商売をしていたのだろう。
パンツなどの洗濯物は、売り物ではないのだろうが……。

何やら騒々しいので、近づいてみると、路上で店を出していたらしいテーブルやイスを数人の警察官が押収していた。どうも違法の店を出していたようだ。抗議する男性を警察官が高飛車に怒鳴りつけていた。

みるみる近所の野次馬が集まってきた。上半身裸の男が普通に居るのは上海らしい。

昔ながらのリヤカーで雑貨を売る行商人。

路地を曲がると市場だった。午前8時ごろだが、買い物客で賑わっている。

朝食用に目の前で包んで蒸している餃子。形がきれいなのでアップで撮影。

八百屋の店先。どの品物も新鮮だ。食の国の面目躍如。

魚屋の店先。生きているカニが逃げ出さないように店の人が押さえている。

八百屋の店先で。中国では、買い物をするのに男女の差は無さそうだ。

果物と花と猫。中国人は、百合の花が好きだ。
百合という字が縁起が良いのだそうだ。

市場には露天の骨董品屋もあった。さすがにここは男性ばかり。毛沢東人気は健在だ。
駆け足の上海。古い中国と新しい中国が交差する街で見たのは、経済発展に期待する顔と置いて行かれる不安の顔。しかし、日常は、何事もないような顔をして古い生活習慣が続けられている。黃浦江堤防公園で体操をする年寄りや朝の買い物をする年寄りが、元気そうで活き活きしていたのは嬉しい。今回、上海で出会った人々は、皆、明るく活力がありフレンドリーに思えた。良い旅だった。